仏暦2449年(西暦1906年)、ラマ5世の時代には、王室専用医師が集められ、それまでバリー語およびサンスクリット語で書かれていた文章を、わかりやすいタイ語に翻訳し、これを一冊の本にまとめ王室医学書(タムラー・ペェーサッ・ソンクロ)としました。王室マッサージ法(タムラー・ベップ・ヌワット・チャバッブ・ルオン)もこの医学書の中に記されています。
仏暦25005年(西暦1962年)5月30日、ポン・トムヤーニム医師とそのグループにより、古式マッサージ師によるマッサージスクール「ワットポー・タイトラディショナル・メディカルスクール」という学校がワットポーの中に設立されました。ここでは現在でも、古代から続いていたマッサージ法を教え伝えています。
仏暦2534年(西暦1991年)10月29日、ワットポー・マッサージスクールのガムトーン・タントンチッ氏(旧タイ国マッサージ協会会長)により、一般人もマッサージが修得できるようにと、解説付きの絵図がまとめられました。その際、ワットポーの講師18人が集められ、検討が繰り返された末、体の10本の主線を基本とし、その線に従って、各つぼがわかるように記されました。これにより、一般の人にもわかりやすく、覚えやすくなりました。
現在では、古代マッサージにある体をねじる体位は、古代から伝わるマッサージの中から、必要で安全なもののみが選ばれ残っています。特にこのねじる体位は、行う前にその人に適しているかどうかを検討した上で、行われています。